夢は傷ついた脳を癒してくれる

夢は傷ついた脳を癒してくれる

夢をたくさん見すぎて悩んでいます。

そんなお悩みをたまにいただきます。

 

睡眠中に見る夢は、「レム睡眠」という浅い眠りの時に見るもの。

眠りが浅いからたくさん夢を見るんだ・・・と

夢を見ること=悪いこと、と捉えられがちですが、

実は夢を見ることは脳にとって非常に重要な役割を果たしています。

 

その中でも、夢が「傷ついた脳を癒す」働きを持っていることが

最近の研究で明らかになってきています。

 

今日は、夢と脳の関係に焦点を当て、

夢が傷ついた脳をどのように癒すのか、そ

してそのメカニズムについて探ってみたいと思います。


生き残るためには夢が必要

これは「生きる目的が必要!」とかの夢ではなく笑

人間が生き残っていくためには、夢を見ることが非常に大切になってきます。

夢を見るのは、眠りについたあとのレム睡眠と呼ばれる状態の時。

この時脳内には「アセチルコリン」という物質が分泌されていて、

脳の感情や視覚を興奮状態にさせています。

 

レム睡眠の時に何が行われているかというと、

「記憶の整理」そして「記憶の定着」という作業です。

 

起きている時の体験のうち、どの記憶が必要で、

どの記憶が不要かを選別する作業を行なっています。

 

だから、生きるために必要な情報を、整理しているんです。 

 

夢が傷ついた脳を癒す

悪夢を見る意味

夢の中には「悪夢」とも呼べる嫌な夢も多く出てきますよね。

日中ストレスを多く抱えていたり、不安なことや心配事が多い人ほど、

こういう悪夢を見がちです。

悪夢を見ると、寝起きも気分は良くないですよね。

 

人が悪夢を見るのは、「生きるため」そして「トラウマを克服するため」

この2つの意味があると言われています。

 

生きるため

人間は進化する過程で、いろんな危険を乗り越えてきました。

狩猟をしていた頃は、野生動物と遭遇した時に戦ったり、逃げたり。

どの食べ物が安全なのか記憶して生き残ってきました。

そういう本能は、今も脳の働きの中に残っています。

 

だから日中の嫌な出来事に遭遇した時に、

「危険な出来事」として脳の記憶に刻むことで、生き残ろうとしているんです。

 

トラウマを克服するため

ストレスを感じる出来事って、できれば思い出したくないですよね。

それなのに夢に見てしまうのは、前述の「生き残るため」です。

 

ただ、最近になって睡眠中に見る夢は、

過去のトラウマやストレスを癒す手助けにもなっていることがわかってきました。

 

どういうことかというと、夢の中でトラウマ体験を再現して、

何度も同じ夢を見る。

そして、何度も何度も同じ夢を見ているうちに、

脳が現実にはなかった新たな視点や解釈を加えていく。

 

そうすることで、悪夢が徐々に形を変えて、

心の傷を癒す効果があると考えられています。

 

過去に起きた記憶のうち、

あまりにも危険なものは「記憶」として残り続けることで

再びその出来事が起きた時に対処したり、うまく立ち回ることができるようになります。

 

しかし、嫌な記憶でも、夢に見続けているうちに

別の解釈が加わって、「危険ではない出来事」と脳が認識すれば

トラウマや嫌な記憶は「あぁ、こんなこともあったなぁ」と

過去の出来事になり、記憶を司る「海馬」から、

「大脳皮質」へと移行していき、滅多に思い出すことがなくなります。

 

 

これが、夢を見る役割。

そう考えると、悪夢を見ることも嫌な出来事を忘れ去る過程だと

捉えられるようになるかもしれませんね。

 

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